仕様と施工

シート防水工法の仕様

一般社団法人 日本建築学会「JASS8 防水工事」参考仕様 2022

参考資料 面防水工事の標準仕様以外で防水設計上参考となる仕様


1.はじめに

 JASS 8の標準仕様として示したエ法は、建築防水の設計、施工に際して目標性能やそれを具体化する技術的手段に関する標準モデルである。一方で、建築物の種類の多様化、建築を取り巻く環境の変化という状況を踏まえると、防水層も広い立場から最適なものを選定しなければならない。そのため、標準仕様として掲載していないが、設計者にとって役に立つと思われる防水仕様を参考となる仕様として紹介する。

 なお、参考となる仕様を利用する際には、材料や施工の細部は当該防水層および材料の製造所からのより詳細な情報を基に実務に活用していただきたい。

2.参考となる仕様

 参考となる仕様は、防水性能、適用部位、施工法、環境配慮および省力化に特徴的な仕様を、本編と同じく防水層の施工形態・形成方法により面材張付け防水工事、面材固定防水工事、不定形材塗布・吹付け防水工事および面材・不定形材積層防水工事に区分して掲載した。

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(1)面材張付け防水工事

・合成高分子系シート防水工法・絶縁仕様

部 位 平場(RC・PCa下地)
(勾配1/50~1/20)
立上り(RC下地)
工程-1 プライマー塗り
[0.2kg/m2
プライマー塗り
[0.2kg/m2
工程-2 接着剤塗り
[0.4kg/m2
接着剤塗り
[0.4kg/m2
工程-3 通気層付加硫ゴム系シートまたは
塩化ビニル樹脂系シートの張付け
通気層付加硫ゴム系シートまたは
塩化ビニル樹脂系シートの張付け
 
保護層・仕上げ層 仕上塗料 な し 仕上塗料 な し
工程-1 仕上塗料塗り 仕上塗料塗り

[RC :現場打ち鉄筋コンクリート、 PCa:プレキャスト鉄筋コンクリート部材]

[注](1)
立上りの下地をプレキャスト鉄筋コンクリート部材またはALCパネルとする場合は、スラブと一体となる構造形式のものとする。接合部には絶縁処理または増張りを施す。その方法は特記による。
(2)
使用する合成高分子系シートの種別は均質または複合シートとし、その厚さは、特記のない場合は、加硫ゴム系シートでは1.2mm、塩化ビニル樹脂系シートでは1.5mmとする。
(3)
塩化ビニル樹脂系シートの場合、プライマー塗りは行わない。
(4)
シートの張付けに先立ち、出隅角(立上りの出隅の下端)および入隅角(立上りの入隅の下端)には、加硫ゴム系シートの場合は非加硫ゴム系シートの増張りを行い、塩化ビニル樹脂系シートの場合はシートの張付け後に成形役物を張り付け、その端部は液状シール材を用いて処理する。
(5)
防水層の立上りおよび立下りの末端は、押え金物または固定金具で固定し、不定形シール材を用いて処理する。
(6)
脱気装置は特記による。
(7)
塗装仕上げの材質・色および塗布量の指定は、特記による。だたし、表面に着色層を設けた加硫ゴム系シートを使用する場合または塩化ビニル樹脂系シートを用いる場合は、塗装仕上げは省略できる。
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・エチレン酢酸ビニル樹脂系シート防水工法・密着保護仕様

部 位 平場(RC・PCa下地)
(勾配1/100~1/50)
立上り(RC下地)
工程-1 プライマー塗り[0.3kg/m2] プライマー塗り[0.3kg/m2]
工程-2 ポリマーセメントベース塗り
[3.0kg/m2]
ポリマーセメントベース塗り
[3.0kg/m2]
工程-3 エチレン酢酸ビニル樹脂系シート張付け エチレン酢酸ビニル樹脂系シート張付け
 
保護層・仕上げ層 現場打ちコンクリート コンクリート平板類 モルタル 断熱工法 ポリマーセメントモルタル モルタル 乾式工法 仕上塗料
工程-1 ポリマーセメントモルタル塗り
[7.0kg/m2]
断熱材の接着剤による張付け ポリマーセメントモルタル塗り モルタル塗り 乾式工法は特記による 仕上塗料塗り
工程-2 絶縁用シートの敷込み コンクリート平板類の敷設は特記による 目地材の設置 絶縁用シートの敷込み
工程-3 コーナークッション材(成形緩衝材)の設置 モリタル塗り コーナークッション材(成形緩衝材)の設置
工程-4 目地材の設置 目地材の設置
工程-5 溶接金網の設置 溶接金網の設置
工程-6 コンクリート打込み コンクリート打込み

[RC :現場打ち鉄筋コンクリート、 PCa:プレキャスト鉄筋コンクリート部材]

[注](1)
立上りの下地をプレキャスト鉄筋コンクリート部材とする場合は、スラブと一体となる構造形式のものとする。接合部には絶縁処理または増張りを施す。その方法は特記による。
(2)
使用するシートの種別は均質シートとし、厚さについて特記のない場合は、1.0mmとする。
(3)
出隅角(立上りの出隅の下端)および入隅角(立上りの入隅の下端)には、シートの張付けに先立ち、成形役物または増張りシートを張り付ける。
(4)
防水層の立上りの末端は、押え金物を使用せず、ポリマーセメントペーストで処理する。
(5)
現場打ちコンクリートおよびモルタルの厚さは、特記による。
(6)
ポリマーセメントペーストは、エチレン酢酸ビニル樹脂系エマルション、水、セメントを使用直前に調合する。調合は、防水材製造所の指定する比率とする。
(7)
断熱材張付け用接着剤は、防水材製造所の指定するものとする。
(8)
保護層のモルタルおよびポリマーセメントモルタルの厚さは、特記による。
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(2)面材固定防水工事

・合成高分子系シート防水工法・金属下地断熱機械的固定仕様

部 位 平場(金属下地)
(勾配1/50~1/20)
立上り 
(耐火野地板または金属被覆断熱板)
工程-1 断熱材の敷きならべ 塩化ビニル樹脂系シートまたは
熱可塑性エラストマー系シートの
固定金具による固定
工程-2 熱可塑性エラストマー系シートの
固定金具による固定
   
保護層・仕上げ層 な し な し
工程-1
[注](1)
適用する金属下地は、屋根30分耐火構造大臣認定品とし、その厚さは、1.0mm以上のデッキ鋼製床板およびフラットデッキ板とする。
(2)
使用する合成尚分子系シートの種別は均質または複合シートとし、その厚さは特記のない場合は、塩化ビニル樹脂系シートは1. 5mm、熱可塑性エラストマー系シートは1.2mmとする。
(3)
立上りおよび立下りを接着工法とする場合は、特記による。立上りを接着仕様とする場合は、プライマー塗布量(0. 3kg/m2)および接着剤塗布量(0.4kg/m2)とする。ただし、塩化ビニル樹脂系シートの場合、プライマー塗りは行わない。なお、立上りを断熱仕様とする場合は、特記とする。
(4)
出隅角・入隅角はシートの張付け後に成形役物を張り付け、その端部は、液状シール材を用いて処理する。
(5)
断熱工法の場合、シートの固定に先立ち断熱材を固定する。
(i)
塩化ビニル樹脂系シートの場合、断熱材の表面に可塑剤移行防止暦がない場合は、断熱材の上に可塑剤移行防止用シートを敷き並べる。
(ii)
断熱材の材質は、ボリスチレンフォーム、フェノールフォームまたは硬質ウレタンフォームとし、その厚さは、特記による。
(iii)
断熱材の敷き並べおよび固定方法は、特記による。
(6)
防水屈の立上りおよび立下りの末端は、押え金物または固定金具で固定し、不定形シール材を用いて処理する。
(7)
脱気装問の設置および種類は、特記による。