合成高分子ルーフィング工業会
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Q&A

Question 4 地下防水におけるシート防水工法
   
  ルーフィングシートによる地下防水施工はどのようにするのですか?
 

Answer

 都市部において建築空間を拡大するために地下空間の積極的利用が図られています。
 地下空間を利用するにあたり重要なことは、地下の土圧や水圧に対抗できる強固な構造物を構築することとなり、通常コンクリート構造物となります。
 コンクリート自体はきわめて防水性の高い材料ですが、施工課程で生じる打ち継ぎ部、セパレーター部、ジャンガ部などは水を容易に通します。また、コンクリートには予測できない部分に亀裂が発生します。したがって、通水が予測できる場所にあらかじめ部分的に防水するのみでは、地下水の構造物内部への侵入を防ぐことは不可能であり、構造物全体を防水材で覆う必要があります。

  >>詳細
  1. 地下防水の必要性
  2.
地下構造体の施工法
  3. 山留め壁の種類
  4. 山留め支保工
  5. 地下防水工法の分類と特徴
  6. 地上での防水と比較した場合の地下防水の特徴
  7. 適用可能な防水工法とルーフィングシートの関係
    防水施工法
後やり防水工法の手順
先やり防水工法の手順


1. 地下防水の必要性

 地下での快適な生活環境の確保はいうまでもなく、地上部の基礎となる地下躯体を通過する地下水による鉄筋の腐蝕を防止して、構造物全体の耐久性を確保する目的も重要であります。また、地盤の安定確保の上から、地下水の保全を図る必要があります。
 その他、内部浸出水のくみ上げによる排水系への負担低減も必要性の一つであります。

2.地下構造体の施工法

 安全で合理的な建物を構築するには、地盤・地下水位の調査から始まります。調査結果に基づいて合理的な施工法を決定します。
 代表的な地下の掘削と山留め工法には、次のような工法があります。



法切りオープンカット工法


山留め壁オープンカット工法(切梁工法)



山留め壁オープンカット工法(アースアンカー工法)



逆打ち工法


アイランド工法

3.山留め壁の種類

山留め壁は次ぎに示す種類が一般的です。
1. 親杭横矢板壁
H鋼を1〜2m 間隔で打ち込み、間に横矢板(木板)をはめ込む。
2. 鉄鋼矢板壁
鋼矢板・鋼管矢板をガイドに沿わせて連続して打ち込む。
3. 柱列山留め壁(RC 柱列、SMW 等)
地中を掘削した孔に鉄筋かごを挿入してコンクリートを打設して、連続したRC 柱列を構築する。または、ソイル(土)とセメントを孔の中で撹拌・混合してH鋼を適切な間隔に挿入して補強する。
4. 連続地中壁(場所打ちRC)
掘削する地盤を安定液注入して保持しながら溝状に掘削した後、鉄筋かごを挿入してコンクリート壁を構築する。連続地中壁は構造体として利用する場合が多い。

4.山留め支保工

 いずれの場合も、山留め壁の掘削空間への倒壊を防止するために山留め支保工が必要となり、H鋼を使用して内部から支える切梁方式や山留め壁の背面の地中に斜めにアンカーを設置して背後から支えるアンカー方式があります。

5.地下防水工法の分類と特徴

  防水工法 防水部位 主な特徴




後やり工法 底・頂部防水
外壁防水
外壁の部分防水
躯体構築後に防水するため、コンクリートの不具合部を補修でき、比較的安定した防水性能を期待できる。
底部は先やり工法となる。
地下ピットを設ける場合は、底部の防水は行わない。
十分な作業空間が必要となる。
先やり工法 底部防水
外壁防水
外壁の部分防水
躯体と山留め壁の間に作業空間がとれない市街地に適した工法である。
底部捨てコンクリート面、山留め壁へ防水層を設するため、次工程の配筋・型枠工で防水層損傷の恐れがある。
後打ちのコンクリートと密着する防水層が必要である。




先やり工法 内壁防水
躯体構築後、躯体に土が接する面に室内側から防水する工法。
作業性はよい。
地下水が躯体の鉄筋・鉄骨、コンクリート打継ぎ部を伝わって移動するため、1部屋単位で防水する必要がある。
内装工事で防水層を貫通するアンカーなどは使用できない。

二重壁工法

躯体壁面と室内の間に隙間を取り内壁を設け、侵入した地下水を集水ピットに排水する工法。
部分防水と併用する。

6.地上での防水と比較した場合の地下防水の特徴

地下工事は建築工事と異なり、地下水が防水施工の障害になることが多くあります。
1. 作業環境が良好とはいえない
暗い、狭い、湿度が高い、風通しが悪い、メタンガス臭がする、酸欠の危険性があるなど。したがって、安全上・施工性から使用する防水材は限定される。
2. 躯体施工と錯綜しがちである・施工管理が困難である
法面付きオーブンカットで外防水工法の場合は問題は少ないが山留め・切梁工法の場合、切梁の盛代え作業、防水層の先やり工法においては鉄筋・型枠工と錯綜する。
また、狭い空間での作業であり、特に先やり工法では鉄筋・型枠工により防水層が破損を受ける確率が大きくなる。
3. 防水層の性能確認方法がない
防水層の性能確認・検査手段としての水張り試験が不可能であり、地下工事終了後の強制排水中止による地下水位上昇時点が実質的な水張り試験になる。
4. やり直し・維持管理ができない
漏水が発生しても防水層不具合部を掘り起こして補修することはできない。
また、防水層を直接観察できないため、予防補修も不可能である。

7.適用可能な防水工法とルーフィングシートの関係を下表に示します。

山留め工法地下外壁防水工法・ルーフィングシートの適否
根切り・山留め工法 躯体施工順序 作業空間 防水工法 シートの適否
法切りオープンカット 工法 順打ち あり 後やり工法
山留め壁工法 親杭横矢板壁 順打ち・逆打ち あり
なし
後やり工法
先やり工法
内防水工法


鋼矢板壁 順打ち あり
なし
後やり工法
先やり工法
内防水工法


ソイルセメント壁 順打ち・逆打ち
あり
なし
後やり工法
先やり工法
内防水工法


柱列山留め壁

順打ち・逆打ち

なし 内防水工法
地中連続壁 順打ち・逆打ち なし 内防水工法
柱:適用可能 種別により適用可能 1部に限定して適用可能


防水施工法

ルーフィングシートによる一般的な施工手順を示します。




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